最新調査からみる中小企業の2021年賃上げ動向(賃金・給与)

その他労働

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こちらの動画を観ながら読むとより読みやすいです

 

特定社会保険労務士の石川です。

コロナ禍で企業は厳しい経営状況が続いています。

皆さんの会社では、4月から昇給しましたか?それとも降給となりましたか?

世間一般ではどうだったんでしょう?

そこで今回は、最新の調査を基に中小企業の賃上げ状況をみていきます。

 

賃上げ企業と賃下げ企業の割合

2021年最新の賃上げ状況を知るには、大阪シティ信用金庫が大阪府内の自庫取引先1,132社から賃上げ状況を聞き取った内容をまとめた『中小企業における2021年の賃上げ動向』が、調査対象が大阪府内に限られるものの最新の状況を知ることができます(国の統計調査は大抵1年後に公表されるため)。

同調査によると、賃上げを実施した企業の割合は過去10年で最低の16.0%となり、リーマン・ショック時に次ぐ低さとなっています。

(出所)大阪シティ信用金庫『中小企業における2021年の賃上げ動向』より抜粋

また、賃金が据え置きとなった企業の割合はコロナ禍以降増加し、過去22年で最大の77.5%となっています。

賃下げとなった企業の割合は過去10年で最大の6.5%に増加しました。

(出所)大阪シティ信用金庫『中小企業における2021年の賃上げ動向』より抜粋

業種別でみると、サービス業は昨年比で少し下がったものの、賃上げを実施した割合は20.1%とすべての調査業種のなかで最も高く、また賃下げを実施した割合も最も低いです。

一方、運輸業は昨年からの賃上げ企業の減少率が全業種中最大となっています。

小売業は、賃上げを実施した企業の割合が最も低く、賃下げを実施した割合と増加率がともに最大となっています。

ただ、参考として公表されている飲食店は小売業を凌ぐ賃上げ実施率の低さ・賃下げ実施率の高さとなっており、やはりコロナ禍が飲食店にかなりのダメージを及ぼしていることがこの調査結果から読み取れます。

 

賃上げ実施企業の賃上げ率

つぎに、賃上げを実施した企業が実際にどのくらい昇給させたかというのを単純平均した賃上げ率をみます。

(出所)大阪シティ信用金庫『中小企業における2021年の賃上げ動向』より抜粋

全体の賃上げ率は3年ぶりに減少へ転じています。

業種別でみると、サービス業が昨年比で伸び、小売業が悪化という、先ほどの実施割合とほぼ同様の結果となっています。

逆に、賃金据え置きまたは賃下げを実施した企業のうち約60%が、景気や自社業績の改善が確認できた場合などに、一時金の支給や金額の上乗せなどで賃金を増やす意向を持っていることから、「今はコロナ禍で先行き不透明だから賃上げは難しいけど、回復したら従業員へ還元してあげたい」という経営者の想いがこの表にあらわれているように感じます。

(出所)大阪シティ信用金庫『中小企業における2021年の賃上げ動向』より抜粋

 

総人件費に対する今後の方針

最後に、総人件費に対する今後の自社方針について聞いた結果をみます。

過去3年のなかでは最も人件費を抑制したいという意向があらわれた結果となっています。

(出所)大阪シティ信用金庫『中小企業における2021年の賃上げ動向』より抜粋

このようにざっくり見た感想としては、業種によって差はあるものの、先行きが不透明な状況が今後も長期間続く不安な状況にもかかわらず、リーマン・ショックのときほど事態が悪化していない、比較的マシだということに驚きました。

これには、雇用調整助成金など、政府による支援がかなり貢献しているのではと考えます。

それがなければよりひどい状況になっていたのではないでしょうか…

今後も引き続き先行き不透明な状況が続きますが、労使が一丸となって、この状況を打破すべく耐え忍ぶこととともに、業務の効率化で必要な経費節減や事業領域の拡大なども図っていく必要があるでしょうし、私もこの調査結果に目を通して、1人の社労士して、企業の労務管理と経営により一層真摯に向き合っていかなければという思いになりました。

 

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