ペットの忌引休暇や通院休暇は設けるべき?

その他労働

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こちらの動画を観ながら読むとより読みやすいです

 

特定社会保険労務士の石川です。

先日、お客様から、「世間一般的に、従業員のペットが亡くなったときは忌引休暇の対象となるのか?」という質問を受けました。

結論としては「法律に定められた休暇ではないため、その企業における就業規則のルールしだい」ということになるのですが、対象となる範囲が曖昧だと、トラブルのもとになることがあります。

たとえば「同居する家族」を対象としている場合、「ペットは家族の一員」というお考えの方からすれば家族になるし、そうではなくあくまで法的な「世帯」に限定すべきというお考えの方からすれば家族にならないし…というふうに相容れない部分があります。

そこを突き詰めていくと、感情論だけではなくて、人それぞれの信条や生命観にも繋がるため、かなりデリケートな問題でもあります。

そこで今回は、世間一般におけるペット忌引休暇導入の状況、ペット忌引休暇を設けたほうがいい4つの理由の2点について解説します。

 

世間一般におけるペット忌引休暇の導入状況

まず、そもそもというところで、ペットロスの際に仕事を休んだかどうかについて、ペット保険を展開しているアイペット損害保険株式会社が2017年に公表した『ペットロスに関する調査』によると、9.9%の人がペットロスの際に仕事を休んだようです。

(出所)アイペット損害保険株式会社『ペットロスに関する調査』より画像を抜粋

特にペットを「わが子同然のように可愛がっていた」というほど愛情強く飼っていた人は、休んだ割合が高く、23.5%が仕事を休んでいます。

この数字をみて皆さんはどう感じましたか?多いと思いましたか?それとも少ないと感じましたか?

私はというと、意外と少ないな…と感じました。

私も実家に愛犬がいて、もし亡くなったらと想像すると、おそらく死を受け入れるというか気持ちを整理する時間が必要で、精神的にも仕事はできないと思います。

同じ調査で、ペットロスの際にどんな症状があったかという質問に対し、「突然悲しくなり涙が止まらなくなった」「疲労感、虚脱感、無気力、めまい」という回答が多くなっています。

(出所)アイペット損害保険株式会社『ペットロスに関する調査』より画像を抜粋

つぎに、ペットが亡くなった際の休暇制度を設けている企業の割合について 、こちらは政府や企業などによる調査・統計がないので、今回、Twitterで、「皆さんの会社では、ペットが亡くなった際に忌引休暇や慶弔休暇を利用できる制度がありますか?」という内容のアンケートをとりました。

※開業社労士等の場合は、関与先について、1社でもそのような制度が就業規則に定められている場合は「ある」、それ以外は「ない」を選んでもらいました

その結果がこちらです。

……かなり少ないですね。

私のTwitterアカウントは同業の開業社労士も多く、開業社労士については1社でも制度が就業規則に定められている場合は「ある」を選んでもらったのに、それでもなおこのような少なさでした。

数少ない「ある」とご回答された企業では、経営者自身もペットを飼っているなどでそのあたりに理解のある方というケースが多いようでした。

その他にも、ペット関連産業や外資系の企業を中心に、ペットが亡くなった際の忌引休暇や、その他にもペットの動物病院通院のための休暇制度を設けている企業があります。

(出所)三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 国際研究室 武井泉『民間企業におけるペット飼育者への福利厚生制度』より表を抜粋

(出所)三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 国際研究室 武井泉『民間企業におけるペット飼育者への福利厚生制度』より表を抜粋

 

ペット忌引休暇を設けたほうがいい4つの理由

かくいう私自身も、これまでの慣習で何となしに「ペットは対象外」が当たり前と思っていたですが、今回、深く考えてみた結果、個人的には、(有給か無給かは企業体力等を考慮するとして)ペット忌引休暇は導入したほうがいいという考えになりました。

先ほどの事例で上がったペット通院休暇も同様です。

理由は4つあります。

【ペット忌引休暇やペット通院休暇を導入したほうが良いと考える理由】

  1. 時代の変遷とともに「ペットは家族の一員」という意識が高まっていること
  2. ペットを家族のように愛していた人にとって、ペットロスの悲しみは親や子どもが亡くなった場合の悲しみと同じであり、実際問題そのような不安定な精神状態ではまともに業務ができずミスを誘発するおそれがあるため、業務から離れて死を受け入れる時間を設けることは大切
  3. 最近はペットが亡くなった際に葬儀や納骨を行うケースも増えてきており、それには数日を要すること
  4. 労務管理に関して先進的なイメージを抱いてもらえることによる求職応募者数増加・採用力強化

導入した場合、どのくらいの休暇日数を設定するかについては、職種・企業風土・業種・人間である家族の場合の日数とのバランスなどを勘案して設定すべきです。

ペットの通院休暇はあるのに人間の子どもの場合は年次有休休暇を取るしかないとなると、バランスが悪くペットを飼っていない従業員からの不平・不満に繋がってしまいます。

そのため、ペット忌引休暇やペット通院休暇を検討する際には、人間の家族における通院休暇・子育て関連休暇・慶弔休暇の再定義・見直しを同時に行うことがいいでしょう。

 

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