派遣・令和3年度労使協定方式賃金水準のポイント解説

派遣

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こちらの動画を観ながら読むとより読みやすいです

 

※本記事の内容は、わかりやすさを重視し詳細を省略して簡潔にまとめた内容ですので、必ず詳細を下リンクの通達本文でご確認ください

 

神戸の特定社会保険労務士・石川です。

10月下旬に、労使協定方式における派遣労働者の令和3年度賃金水準のもととなる通達(職発1020第3号)が発せられ、厚生労働省HPにて公表されました。

本記事では、この通達で示された賃金水準について、今年度分との比較(数字の変化)とその他のポイントについて、私の考察を交えながら解説します。

 

各種手当のポイント

はじめに、一般賃金など各種賃金の数値について解説します。

賃金構造基本統計・職業安定業務統計ともに、全体の平均値は前年分を上回っているのですが、派遣先として比較的多いであろう事務職と製造職に限ってみると、職業安定業務統計は概ね前年分を上回っているものの、賃金構造基本統計は概ね下回っています。

おそらくこれはサンプル抽出した調査対象者の相違によるものと推測します。

年数が増えるごとに増加していく能力・経験調整指数については、1年は前年分を若干上回ったものの、2年以降では前年分を下回り、全体的に増加率が前年比で緩やかになっています。

地域指数に関しては、多少の変化はあるものの、大きな変化はありません。

(出所)筆者作成

退職手当に関しては、中央労働委員会の統計では変化がありましたが、その他の調査主体によるものでは変更ありません。

通勤手当は前年分から2円増えて74円となりました。

 

その他のポイント

つぎに、その他のポイントについて解説します。

先ほども述べたとおり、令和3年度賃金水準は令和2年度分を上回るわけですが、新型コロナウイルスによる景気悪化と雇用環境悪化を考慮し、一定の要件を満たせば、一般賃金については令和3年度も引き続き令和2年度水準を使用できるという例外が設けられました。

これによって政府は派遣会社へ一定の配慮を示したと言えるでしょう。

以下1~4すべてを満たすことが例外適用の要件です。

【例外適用の要件】

  1. 派遣労働者の雇用維持・確保を図ることを目的として、その旨を労使協定に明記
  2. 職種・地域別に、新型コロナの影響で売上や派遣契約数などが減少しており、かつ、減少が今後も見込まれることなどを具体的に示して労使で十分に議論
  3. 労使協定に、令和2年度一般賃金額を適用する旨およびその理由を、1と2を踏まえて客観的に明記
  4. 雇用維持・確保のための対応策、事業活動指標の根拠書類などを事業報告書に併せて都道府県労働局に提出

この例外は職種・地域ごとに適用できるものであり、事業所一律で適用できるものではありません。

また、この例外は新型コロナの影響で景気が悪化するなか、派遣労働者の雇用維持と確保を図ることが目的なので、労使協定に記す理由として「派遣労働者の賃金を下げたいから」とか「派遣先が希望するから」などの恣意的な理由は認められず、事業環境の悪化状況を過半数労働組合または労働者代表に対し具体的に示して十分に議論し、例外を適用するか否か、適用するのであればその客観的・合理的な理由を考えなければなりません。

この「職種・地域別で事業環境が悪化していること」「事業環境の悪化を具体的な数値で労働者側へ示すこと」「労使間で十分な議論をすること(企業側で勝手に決めることはNG)」「客観的・合理的な理由を考えて明記すること」の4点が、例外を適用するために越えなければならないハードルと言えるでしょう。

 

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