ものづくり補助金の加点項目・社会保険の任意特定適用とは?

健康保険 年金

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こちらの動画を観ながら読むとより読みやすいです

 

神戸の社会保険労務士・石川です。

先日、同じ神戸でTwitterを中心に交流させていただいている、株式会社マネジメントオフィスいまむら・代表取締役で中小企業診断士の今村敦剛先生から、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の任意特定適用の内容とメリット・デメリットについて質問を受けました。

というのも、今村先生によると、2020年度のものづくり補助金では、社会保険の任意特定適用をしている企業は、加点されるなど、審査上有利になるからです。

この任意特定適用、ひとことで言うと、「企業が任意で、一定の短時間労働者も社会保険に加入できるようにすること」なのですが、企業・従業員双方にとってメリットとデメリットがあり、またそのメリットとデメリットが表裏一体の関係にあるため、企業が任意特定適用をするかどうかは、従業員の家族構成や収入などを総合的に勘案する必要があります。

今回は、ものづくり補助金の加点項目になる社会保険の任意特定適用について、その内容とメリット・デメリットについてご説明したいと思います。

※今回のブログおよびYouTube動画の公開については、株式会社マネジメントオフィスいまむら様の承諾を得ております

任意特定適用とは?

本来、短時間労働者は、週または月の労働時間がその企業におけるフルタイム従業員の3/4未満の場合、社会保険に加入することができませんでしたが、2016(平成28)年から、500人超の企業では、3/4未満であっても、以下の4要件すべてを満たす短時間労働者を社会保険の被保険者とすることが義務付けられました。

短時間労働者が社会保険の拡大対象となる4要件

  1. 週労働時間20時間以上(残業除く)
  2. 月額賃金8.8万円以上(割増賃金除く)
  3. 1年以上の雇用見込み
  4. 学生でないこと

この500人超の企業を特定適用事業所といいます。

一方、500人以下の企業でも、労使で合意し、健康保険の保険者や日本年金機構に申出をすれば、任意で特定適用事業と同じように、短時間労働者が社会保険の被保険者となれるようになりました。

この、500人以下の企業が任意で特定適用事業と同じ扱いを受けることを「任意特定適用」といい、そのような扱いを受けている企業を「任意特定適用事業所」と呼びます。

任意特定適用を受けると、上の4要件すべてを満たす短時間労働者は、本人の希望にかかわらず全員社会保険の被保険者となります。

 

任意特定適用を受けるには?

任意特定適用を受けるには、労働者の同意を得て、しかるべき提出先へ申出書類を提出する必要があります。

同意の取得方法には3パターンあり、

同意の取得方法

厚生年金被保険者・70歳以上の従業員・上の4要件すべてを満たす短時間労働者の・・・

  • 過半数を占める労働組合がある場合 → ①その労働組合の同意
  • 過半数を占める労働組合がない場合 → ②過半数代表者の同意or③1/2以上の同意

※②の過半数代表者は、36協定などの労使協定同様、選挙・挙手など適法な手続を経て選出される必要あり

があります。

同意が得られたら、一定の書類を、協会けんぽ加入企業は日本年金機構の所轄事務センターへ、組合けんぽ加入企業は加入している健康保険組合へ提出します。

 

任意特定適用のメリットとデメリット

任意特定適用をすれば補助金が受けられやすくなるのなら、すぐにでも適用を受けようという企業さんがいらっしゃるかもしれませんが、任意特定適用には、企業・従業員双方にメリットとデメリットがあるため、自社の状況をよく勘案して適用如何を考えなければ、自社にとってマイナスの結果を生むこともあります。

そこで、企業・従業員それぞれのメリットとデメリットを挙げますが、まず従業員側から挙げると、

従業員側のメリットとデメリット

週労働時間がフルタイム労働者の3/4以下の場合、任意特定適用事業所でなければ被保険者とならない(以下「3/4基準」)が、任意特定適用事業所になれば、たとえ3/4基準を満たしていなくても、上の4要件すべてを満たせば全員社会保険の被保険者となるため・・・

【メリット】

  • シングルマザーのパートタイマーなど、今まで配偶者などの扶養に入れなかった短時間労働者は、国民健康保険&国民年金よりも概ね低い保険料負担で社会保険に加入できる(=可処分所得が増える)

【デメリット】

  • 月収88,000~108,333円(60歳以上は150,000円)の短時間労働者の一部において、非任意特定適用事業所であれば配偶者などの扶養に入れたのが、任意特定適用事業所となることによって被保険者となり(=扶養に入れなくなる)、保険料を支払わなければならなくなる

※60歳未満:被扶養者になるための収入上限1,300,000円÷12ヶ月≒108,333円、60歳以上:被扶養者になるための収入上限1,800,000円÷12ヶ月≒150,000円

※被扶養者となるにはその他にも要件あり

一方、企業側のメリットとデメリットを挙げると、

企業側のメリットとデメリット

【メリット】

  • シングルマザーのパートタイマーなど、今まで配偶者などの扶養に入れなかった短時間労働者からはありがたい制度であるため、これらの人々にとっては採用求人上のアピールポイントや離職防止・定着率向上策となる

【デメリット】

  • 月収88,000~108,333円(60歳以上は150,000円)の短時間労働者の一部は、配偶者などの被扶養者となれず、保険料負担が発生するため、これらの人々にとっては採用求人や定着においてマイナス面となりやすい
  • 社会保険料支払額が増加する

そのため、任意特定適用となるかどうかは、短時間労働者の収入・家族構成・希望などを総合的に勘案して検討すべきです。

 

ものづくり補助金を受けたいならマネジメントオフィスいまむらへ

株式会社マネジメントオフィスいまむら・代表取締役で中小企業診断士の今村敦剛先生は、ものづくり補助金をはじめ企業向けの各種補助金や経営コンサルティングを業務としており、YouTubeでも有益な情報を発信されています。

リンク:株式会社マネジメントオフィスいまむらホームページ

 

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