派遣会社って正直儲かるの?

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こちらの動画を観ながら読むとより読みやすいです

 

神戸の社会保険労務士・石川です。

2020年4月以降、大手人材派遣会社が軒並み派遣料金を1~2割程度値上げする予定であること、また値上げによる需要減少の懸念から大手人材派遣会社の株価が下落傾向にあるというニュースが連日報道されています。

日経電子版 2020/1/10 派遣料「同一賃金」に対応 人材大手1~2割値上げへ

日経電子版 2020/1/14 <東証>パソナGなど人材派遣関連が安い 値上げで需要減少を懸念

この値上げ理由は、詳細はこちらこちらの記事をご参照いただくとして、一言でいうと2020年4月からの労働者派遣法改正によるものなのですが、それでも1~2割も値上げというのは非常に大きい値上げです。

大手は1~2割ということですから、中小の派遣会社なら2~3割程度の値上げをせざるを得ないと思います。

2~3割のみならず、1~2割でも充分、自社の受注を大幅に減らしかねないほどの大幅値上げです。

インターネットやYouTubeなどでは、「派遣会社はぼったくり」とか「暴利を貪っている」などさまざまなことを言われていますが、派遣会社の利益構造はいったいどのような構造なのか、今回ご説明したいと思います。

マージン率とは?

派遣会社の利益を見るうえで大きな指標の1つが「マ―ジン率」です。

マージン率というのは、「{労働者派遣に関する料金額の平均額(1日8時間あたりの額)-派遣社員の賃金額の平均額(1日8時間あたりの額)}÷労働者派遣に関する料金額の平均額(1日8時間あたりの額)÷100」で求められ、一言で説明すると、派遣料金における派遣社員賃金以外の割合です。

このマージン率、派遣会社により差はありますが、概ね30%前後が相場となっています。

特定の業界・職種に特化している派遣会社では40%前後などマージン率が高い傾向にありますが、それ以外の会社では概ね30%前後となっています。

 

営業利益率はどのくらい?

さきほど、派遣料金における派遣社員賃金以外の割合は30%という話をしましたが、当然ながら、それがまるまる派遣会社の利益になるわけではありません。

一般社団法人 日本人材派遣協会が公表しているデータによると、派遣会社が支払う費用には、派遣社員賃金のほか、会社負担分の社会保険料(労災・雇用・健保・介保・厚年)が10.9%、派遣社員が有休を取得した際に支払う賃金が4.2%、派遣社員の教育研修費用や営業担当やコーディネーターなどの人件費などの諸経費が13.7%かかります。

よって、本業の儲けをしめす営業利益は、これらの費用すべてを差し引いた1.2%程度にしかなりません。

おそらく、皆さんが抱いていたイメージよりかなり少ない数字なのではないかと思います。

当然、派遣会社によって差はあって、15%程度の営業利益を出している会社もありますが、有価証券報告の内容を見る限り、大手では概ね2~7%程度が多いです。

それでも、皆さんが抱いているイメージよりはよっぽど少ない数字なのではないでしょうか?

「派遣会社はボッタクリ」とか「暴利を貪っている」ということはまったくなく、むしろ一部の企業以外はどちらかというと薄利多売に近いビジネスモデルなのです。

2020年4月の労働者派遣法改正に合わせて派遣社員の賃金が上げなければならないとき、値上げ分を料金に転嫁しなげれば企業存続に大きな影響が出ますし、一方で値上げ分を吸収しようとしても、吸収できるほど利益率が高くないため、派遣会社は大幅な値上げをせざるを得ないのです。

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