社労士いしかわです。
今回は2019年最低賃金に関する最新情報と今後の見通しに関してご説明します。
2019最低賃金目安額公表
2019年7月31日に、厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会から、2019年度の最低賃金について、全国加重平均の目安を3.07%引き上げ、時給901円にする方針が示されました。
今回示された各都道府県の目安額はこちらのとおりです。
最も高い東京都と2番目に高い神奈川県は初めて1,000円を超えました。
3番目に高い大阪府は964円となっています。
最も低いのは鹿児島県の787円となっています。
ちなみに、私は今回の発表前にブログで最低賃金額を予想していたのですが、全国加重平均901円を的中し、都道府県別でも7割で的中しました(予想ブログはこちら)。
まあ当てたからどうってわけではないんですが・・・
今回発表された額は目安額であり、正式な最低賃金額ではありませんが、この目安をもとに都道府県労働局長が各都道府県別の最低賃金額を決定しますので、この目安額から大きく変わることはありません。
よって2019年10月から適用される最低賃金額は概ねこのとおりとなる見通しです。
2020以降の最低賃金額見通し
では、2020年度以降はどうなるでしょうか?
結論から言うと、世界的恐慌や大災害でもない限り、伸び率は概ね3%で推移していくものと予想されます。
理由は3つあり、
- 今年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2019」において、早期に全国平均1,000円を目指す旨が明記されていること
- 消費増税による景気減速の可能性はあるものの、増税による労働者の生活水準維持には伸び率引き下げができないこと、および、過去の消費増税時においても最低賃金の伸び率引き下げは行われなかったことから、今後も最低賃金の伸び率引き下げは行われない可能性が高いこと、
- 直近10年間において伸び率が下がったのはリーマン・ショック直後の2009年と東日本大震災直後の2011年の2回のみであったこと(ちなみにこれら2回でも伸び率が下がっただけで最低賃金額自体は増額されています)
ということから考えると、リーマン・ショック級の世界的恐慌や東日本大震災級の大災害でもない限り、今後も伸び率は概ね3%で推移していくものと予想されます。
ちなみに、現状の伸び率で推移した場合、全国加重平均の最低賃金額が政府方針で謳う1,000円を超えるのは2023年となりますので、おそらく2023年までは現状の伸び率3%程度で推移するものと思われます。
企業としては、今夏の間に従業員の賃金額チェック、および賃金支払のための生産性向上策を本格的に検討していきましょう。
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